★★ラクダ・レースでストライキ!!-連載!ラクダ・レース遠征記(21


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ラクダ・レースでは色んな珍事件が起こるのは少し触れた。
ラクダや逆走をはじめ、想定外?のことが結構起きる。



何が起きても、取り敢えず観客は笑っているのだけど、
特に笑いが起こるのは、このラクダのストライキだと思う。



ラクダの場合は、恐らく観客も一応は心配するだろうし、
逆走の場合は観客から見えることは少ないから。



なので、やっぱりストライキが笑いを起こすんでしょうね。



フィニッシュ・ラインからコースを逆行してスタート地点まで
ラクダを連れて行くのだけど、下の写真のように、ダダをこねて
座り込むラクダがいたりする。
他のラクダ達は遥か前方に見えるので、相当長くダダをこねてたことが
よく分かる。



スタート地点まで連れて行けなければ、当然出走は出来ないので失格となる。
騎手もハンドラーも何とか立ってもらおうと必死の説得!
下の写真では、右側のラクダのハンドラーは他のラクダを近づけて
立たすためにUターンしてきているところ。
これで立つ場合もあるし、立ってもすぐに座り込む場合もある。
諦めて辞退ということも、もちろんある。



というのも、ゲート近くまで行くとやはりラクダは興奮状態になるので
全てのラクダが揃って、ゲート近くまで行って、ゲート・インするのが
望ましい。その時点で発砲されるから。



一頭だけ遅れると、スムーズにゲートインしてスタート出来ず
他のチームからひんしゅくを買うことになってしまうんです。




まあ、ラクダがレースで走りたくない時があるのも、よく分かりますよ。



特に今の自分には!



だって、出来れば、僕も、もう乗りたくないから、、、、、。


「次も乗ってくれるよな?」とリッキーに聞かれた僕はこう答えた。


「悪いが、即答できんよ。背中に激痛走ってるので!」。


体よく断ったつもりだったけれど、こういう言い回しがオーストラリア人に
通じるわけもなく、「な、頼むよ、頼むよ、金払うからさ」と続いた。



しかも、満面の笑みで!



通常騎手に支払われるのは賞金の10%とかで、着外の際には払われることはない。



着外が予想されるのに払うということは、よほど乗って欲しいんだろう。


だめだめ、ここで下手に甘く考えると自分の身が危険だ。



「考えておくよ」、と言いながら、その場を離れた。一緒にいると、説得されそう!



説得工作から解き放たれたので、売店でも見て回ろうと思いながらうろつく。
そして、喉が渇いたので、コーラを買うために飲み物売り場を訪れた。


Oh my God !


あちゃー。なんとリッキーと鉢合わせ! リッキーの手にはバーボン・コーク!


「おごってやる、おごってやる、何がいい?」と上機嫌。


まずい、と思いながらも、「じゃあコーラを」。


うわー、おごってもらっちゃった、断りにくいわ、こりゃ。


会話がそっちの方へ行きそうだったからその後、リッキーとはすぐに離れた。



レースの合間には、色んな余興があって、丁度その時は、野生のラクダと
人間の競技が始まっていた。観覧席でコーラを飲みながら見ていると、
あちゃー、またリッキーが現れた。しかも俺の席の真ん前!
幸い、まだ俺には気が付いていない。ふぅ。
どうか気付きませんように、と祈ったものの、神は俺を見放した!



俺に気付くと、開口一番「次の次のレースだから!」。



え、何? 乗ることになってるわけ?



はい、腹をくくりました。いいでしょう、乗りましょう。
その代り、落ちても知らないからね。



僕はこれまでに、これほど誰かに乗ってくれと頼まれたことはなかった。



へっぽこジョッキーだと言うことは既に気付いていても良さそうなのに、
それでも、ここまで頼まれて、コーラまでおごってもらって、断ったら
男がすたるというものでしょう。



(はい、そこ!「たかがコーラ」って思ったでしょ? 俺も!)



ただし条件を一つ突きつけた。「鐙(あぶみ)のストラップは長いのに交換してくれ。」




かくして、二度と乗らないはずだったのに、もう一度 What Forに乗る羽目になった。




「What For ?!」


★次回予告:「ラクダの上の懲りない自分」

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