★最終回forラクダ・レース遠征記&everything「600m Plate 決勝!


同じラクダに乗って、落ちることもなく、まあ順調?に進んでる決勝。

乗っていて怖さを感じることが全くないし、最後のレースということもあり、
ここは一つ、もっと本気モードで行こうと考えた。

ムチを入れるか、声を使うか、何らかの形で ”走らせる”ことを
ラクダのオーナーに提案。

僕が乗っているメスのラクダMinnowは昨日、今日と真っ直ぐに走っているし、
常にいい位置に付けているし、「そうしてみよう」と快諾を得た。

わくわくしながら出番を待つ。


でも、僕の出番のひとつ前のレースで落ラクダがあった。しかも、二人も!
1レースで二人も落ちるなんてことは、過去に見たことがなかった。
決勝なのに!ラクダも騎手も慣れているはずなのに。

なんだか嫌ーな予感..........................。波乱の前兆か?


こういうことがあると、一気に現実に戻される。こわー!


さあ、いよいよ出番。


今日は昨日と違って決勝が行われるので、観客は昨日よりも多い。
そして、ここでのラクダ・レースも終わりに近いのでかなり盛り上がっている。

当然のことながら、ラクダも興奮気味..................。


僕のゲートは、ほぼ真ん中で、Minnowのオーナーはインコース寄りだったのだが、
ラクダがゲート・インする直前から、何かが起こる気がした。

数頭のラクダがゲートに入りたがらない。
僕の乗ったラクダもゲートに入ると同時にすぐに出てきてしまった。
幸いハンドラーが優秀でロープを放したりすることもなく、また
ロープが切れるアクシデントもなかったので、大丈夫だった。

と、その時、1頭のラクダのロープが切れて、走り出してしまった。
そう、フライングだから、もちろんそのラクダは失格。

その直後に全頭が揃ってゲート・イン、スタート!


比較的いいスタートを切れたと思っていたら、僕が追うべきMinnowの
オーナーのラクダが、プラスチック製のフェンスを突き破りコースの内側へ。失格。

そのラクダは、1着になる可能性が高かっただけに、彼女は相当残念だろう。


「うわ、これは俺が入賞しなきゃ」。


レース後半に差し掛かった時、僕の前には4頭いた。つまり、僕が5番目....。

でも、何とかなりそうな距離だったので、声を掛け、走らせてみた。


Minnow の反応はというと、ギアを一つ入れた感覚で加速し始めた!

早ぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


あっという間に2頭を抜き去り、フィニッシュ・ラインを越えた時に、
僕の前にいたラクダは2頭!

つ・ま・り、3着! 入賞!


ほどなく、ハンドラーとMinnowのオーナーがゴールに来て声を掛けてきた。

「どうだった?」


ムチを持っていない左手の指を3本広げて見せた。親指と人差し指と中指を。


彼らは大喜び。




その時、ある女性騎手がこう言った。




「No! You are 2nd !」




何だって?俺が2着?


「俺の前には2頭いたよ、だから俺は3着」


「そうよ、でも、そのうちの1頭はフライングで失格したラクダじゃない!」




そうだったー!!!!!!!! すっかり忘れてました!!!!!!


ラクダに乗りながら、そこまでは冷静になれなかったので、なんだかとても得した気分!!


と、言うわけで、600m Plate 決勝 で堂々の2着! イヤッホー !


プレートは1着にのみ与えられるので、僕が受け取るのはリボン。


でも、赤いんですよ!


ついに、待望の赤色! 緑や白以外のリボンを手に入れました。

今回巡ったラクダ・レースの最後の開催地で、自分の乗る最後のレースで
素晴らしいエンディングを迎えたと言えるんじゃないかなあ。

その晩のパーティでは、少々多くバーボンコークを飲んだ。祝杯ってやつだ。


二度とラクダ・レースでは乗るまい、と思ったこともあったけど、
結果All Right !

オーストラリアまでレースに乗りに来て本当に良かった。
そして、最後の開催地まで滞在したことも、結果も全て良かった。

やはり、自分のライフ・ワークを続けられるのは本当に幸せだと思う。





レースの翌日。東海岸ブリスベン近郊から来ているチームのトラックに乗って
内陸から東へと600kmほど移動し、彼の牧場で小さい2トンのトラックに乗り換え、
そのまま空港近くのホテルまで送ってもらった。

次の日の便で帰国。すぐにラクダ雑貨店を再開しなきゃいけない。
自分がライフ・ワークを続けていくためにも。


でも、ほどなくして、閉店を決意せざるを得ない状況に。
断腸の想いというか、痛恨の極み。


さあ、どうしよう、この先。取り敢えず途方に暮れた!





僕がラクダを触り始めてから、来年が節目の10周年を迎える。
ところがどっこい、こんな状況(笑)。今まで一体、何をやってるんでしょう?

人生のウェイトをラクダに置いて、自分の時間・資金・神経・情熱を
出来る限りラクダに費やしてきたのにねー。

まだ10年、たかが10年だけど、10年という歳月を掛けただけの
ステージに到達している気が全くしない。

この10年を振り返ってみると、もちろん色々経験していて、
走馬灯の様に思い返すことが出来る。

でも、ある程度は、それは当然のことであって、10年経った今の状況を
考えると、どう考えても絶望的としか言いようがない!あちゃー。

走馬灯スライドショー(笑)はこちら↓

http://www.hitokoburakuda.com/bb.wmv


さあ、僕がBlack Bird となれるか。そして、まだラクダ街道を突き進めるのか?
怖いようで、楽しみなようで、やれやれですね。

そんなわけで、See you when I see you .



長きに渡り、ご愛読頂いた皆様には心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。



白井 修


PS:今までに作ったスライドショーの自信作を挙げておきますね!

http://www.youtube.com/user/rakudatsukai?gl=JP&hl=ja#p/a/u/1/Z4r7DBp0Ssc

http://www.youtube.com/user/rakudatsukai?gl=JP&hl=ja#p/a/u/0/ApYdXdpPqR8


昨日、友人が送ってくれた新聞が届いた。現地の地方紙の第一面!


ひとこぶラクダ.com
http://www.hitokoburakuda.com