ラクダの訃報 - ラクダ使いの日記

これまでのラクダ人生の中で撮りためた写真を
一冊のポスト・カード・ブックとして出版したのですが、
ラクダについて多くを教えてくれた海外の友人に先日送りました。
これまでの感謝も込めて、彼らのラクダ達も写っているから。

今日、その本が届いたとの御礼の連絡があり、それは良かったの
ですが、一頭のラクダが亡くなったことを知りました。

亡くなったのは、最も僕になついていて、またもっとも僕が時間を
掛けて接したラクダでした。

彼の名はKicker（キッカー）。
文字通り、蹴る癖があるとても大きなラクダでした。
他のラクダ関係者は怖がって決して近づきませんでしたが、
なぜか彼は一度も僕を蹴ることはなかったです。

初めてラクダ・レースで乗せさせてもらったのもキッカー。
初レースで逆走してしまったのもキッカーです。

牧場で僕が彼の名を呼ぶと、走って来ることもありました。
体を掻いてやると、絶対にそばから離れなかったし、
ロープなんか使わなくても、声だけで座らせることの出来る
賢いラクダでした。
リラックスさえすれば、帽子を被せることぐらいなど、まったく
難しくなかったし、いい思い出ばかりです。

今年は、オーストラリアに戻りたいと思っていたので、残念です。

もう彼と戯れることも出来ないし、彼の写真や動画をとることも出来ません。

一度見てあげて下さいね。お願いします。